絶対零度の鍵



「……右京、ありがとう」



そんな一匹と一羽を尻目に、僕は立ち上がって、小山から沈みかけている夕陽を眺めつつぼそりと呟く。




「なにが?」



「…なにがって…」




相変わらずな彼女は純粋に何がなんだかわからないらしい。


かわいく首を傾げた。




「ふっ……いや、なんでもない。」




その様子がなんだか楽しくて自然と笑みが零れた。


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