絶対零度の鍵

王がただの民に戻る時。



それは、死を意味する。



王と王に仕える者に与えられる力は、並々ならぬものであり、仕えた頃から年を取ることはない。



従がって、一度止められた時間が動き出す事は、これまでの齢をそのまま身体に受けるということ。



耐えることの出来る者は存在しない。



それゆえに、この国の王の責任は非常に重い。



空間を支配しなければならない世界は多くある。



そして、自分の生きる世界の統治もしなければならない。



裏を返せば、自国以外は空間の支配さえ成功していれば良いのだが―




「ん?」




右京はそこでふと疑問を感じ、首を傾げた。




そういえば、前回滅びた世界は、一体どんな理由で最期を迎えたのだろう。
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