絶対零度の鍵
≪耐えられるも何も、歪みのせいでちらほらと人間共が迷い込んできておる。その上、タクミは重要参考人だ。参加してもらわねば困るのだ≫
「そーなんだ。なら、いっか」
右京がにぱっと笑う。
いやいや、良くないでしょ。
これ完璧な脅しでしょ。
「王のご命令じゃ。タクミ、共に行こう」
鍵師も立ち上がって、伸びをする。
いくら僕がちょっとのことに驚かなくなったからって、そんな直ぐに心の準備できないって。
僕は文字通り言葉を失う。
「ほら、ぼさっとしてないで、決まったらさっさと行こうぜ」
おいこら鳩野郎。