絶対零度の鍵


そんな簡単に、よくわかんない世界に行くとか決めないで欲しい。


僕は黙りこくったまま、その場にひとり、胡坐をかいて座っている。


周りの者たちは、それぞれいそいそと出掛けるような仕草をしている。



≪決まり、だな≫



王は満足そうに笑った。


あの、僕は、一言も発していませんけど。


決まっちゃったんですね。


抵抗しても無駄なことは重々分かっていたけれども。


例えば、向こうに行っている間、こっちの時間はどうなるのかとかですね、そういうの、すごく気に掛かるんですけど。


説明は一切なしですか?
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