絶対零度の鍵
守りたいモノ
「なんだ、これ…」
瞬きの間に、僕の見ている風景は様変わりしていた。
何メートルあるのかと思うほど高い天井には、青い石で細工が施されている。
ギリシャにでもありそうな、大きな柱は人が15人輪になったら囲えるかなという位だ。
そして、白いふかふかの絨毯がどこからか敷かれていて、その一番先、奥にある王座に、白い髪の少女が座っていた。
その両隣に右京と、元の姿に戻った左京。
それから狐でもないし、猫でもない、金色の毛並み、碧玉の瞳を持つ生き物が着物を来て二本足で立っている。
「まさか…」
僕が言いかけると、その獣は面白そうに頷いた。
「ワシじゃ」
鍵師がこんなにでかかったなんて。
僕の頭は沢山入ってくる情報についていけない。