絶対零度の鍵
守りたいモノ



「なんだ、これ…」



瞬きの間に、僕の見ている風景は様変わりしていた。


何メートルあるのかと思うほど高い天井には、青い石で細工が施されている。


ギリシャにでもありそうな、大きな柱は人が15人輪になったら囲えるかなという位だ。



そして、白いふかふかの絨毯がどこからか敷かれていて、その一番先、奥にある王座に、白い髪の少女が座っていた。



その両隣に右京と、元の姿に戻った左京。


それから狐でもないし、猫でもない、金色の毛並み、碧玉の瞳を持つ生き物が着物を来て二本足で立っている。



「まさか…」



僕が言いかけると、その獣は面白そうに頷いた。



「ワシじゃ」



鍵師がこんなにでかかったなんて。



僕の頭は沢山入ってくる情報についていけない。
< 363 / 690 >

この作品をシェア

pagetop