絶対零度の鍵
「こっちの世界でも、大丈夫なように術をかけておこう」
王はそう言って、小さくて白い掌を王座から僕に向かって突き出す。
「????」
てんで言われていることがわからない僕は、ただただおろおろするばかりだ。
「よし」
そして何をされたのか全然わからないけれど、王は満足気に頷いた。
「じゃ、とにかく部屋に行って着替えなさい。すぐに食事の支度をさせるから、身支度を整えたら使いの者に大広間に連れてきてもらうように」
王が言い終わらないうちに、ペンギンのような家来だろう者が、僕の後ろで行儀良く気をつけをして待っている。