絶対零度の鍵
「あ、…はい」
僕は王に一応返事をして、背後に立つ、ペンギンに羽が生えた生き物に向き直る。
すると、ペンギンは【こちらへ】というように、その平べったい手を扉の方へと向けた。
ぺったんぺったんぺったん
なんともかわいらしい音が歩くとするので、少し間の抜けた感じがする。
ただ、他の皆が一気に居なくなってしまったので、心細い気がするのも確かだ。
扉は自動のように、ペンギンが目の前に立つとゆっくり開き出す。
「うわ…」
その奥に広がる光景に僕は眼を奪われる。
クリスタル、だ。
眩しいくらいにキラキラとお互い反射し合って輝き亘る広い廊下。
青い光が縦横無尽に飛び回っている。