絶対零度の鍵

「きっと、空間の関係なんだろうけど…」




失われた世界は、きっと自分達のことで精一杯で、



自分達の知らない所で、



誰かが自分達のために命を落としているなんてこと、


気づかなかったろう。




「人間達もそうかな…」




17歳から変わることのない、自分の手を見つめた。



王が退く時は自分も共に去ろうと決意して、明日からの旅立ちに備え睡眠を取るため立ち上がった。




白い羽毛が、一枚。



宙をふわりと舞って、音も無く、落ちた。
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