絶対零度の鍵

―もしかすると、王と会うことはこれで最期になるかもしれない




目の前の少女の珍しい表情を見つめつつ、右京は嫌な予感に襲われる。




―いや、そんなことにはさせない




ぶんぶんと頭を振って、滲む視界をなんとか追っ払い、もう一度王を見つめ、そして頭を下げた。




「そんな心配しなくたって大丈夫だって!城には俺以外にも沢山居るんだし。右京の仕事もやっておいてくれるって」




へらへらとお門違いな励ましをする左京の言葉を聞き流し、右京は立ち上がる。



「では、行って参ります!」




扉の前で、もう一度勢い良くお辞儀すると、バサッという羽音と共に、右京は姿を消した。
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