絶対零度の鍵
「聴こえてたよー!」




元気良く返事する少女の瞳は、ラピスラズリの様な深い群青。




「めんどくせぇ。俺、いかねーから」




だるそうに答える少年の瞳は、サファイアの様な輝く藍色。




「あ、ずるーい。こないだもあたし行ったのに!」




逃げられては行けないと、左側の少年の袖を引っ張ろうとするが―




「ああー!!!!逃げられた!!!!!」




時既に遅し。



先ほどまで彼が居た場所に、姿はなかった。




「では、右京」




そのやりとりが終わるのを、黙って待っていた王が、口を開く。




「温度師が言う様に、地球が危ないらしいので―」




「もういいじゃんー!危ないなら危ないで!自業自得なんだからぁ!」




右京と呼ばれた少女は、口を挟みやだやだやだと駄々をこねる。
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