絶対零度の鍵
________________________

「うーん…どういうことだろう…」



森の上空。



町はもう見えている。



そこで右京は一人、悩んでいた。



先刻、鳥は言った。



あの日は異常な日だった、と。



雨が降って、雷鳴が轟き、山は震えていたらしい。



出掛けていた自分は、帰ってくる途中で雨に見舞われ、一刻も早くあの木の中に入ってじっとしていよう、そう思っていたのに―。



自分の家のある木は、



いや、友人の数々の枝には、



見たことも無い程大きな漆黒の鳥が、5羽程とまって居たと言う。
< 42 / 690 >

この作品をシェア

pagetop