絶対零度の鍵
「でも、今ここに収容されているのは前から居る者たちでしょ。これじゃ中に入らないと見えないから―あたしたちは今保護された者たちを見に行きましょっ!」
遠足に行く子供の様な笑顔で右京は言った。
僕は繋がれっぱなしの手の方が気になって仕方がないのだけど。
そんな僕の気持ちなんてお構いなしに、右京はずんずんと奥へ進む。
「今から行く場所は、部屋が割り当てられる前に一旦まとめて収容される大広間みたいな所なの。」
歩きながら右京が説明してくれる。
グスたちもかなりの数が急いで向かっている。
「ふーん」
こっちに来てからというもの、目まぐるしいほどの新しい情報が入ってくるため、処理が追いついていない気がする。
いや、右京に会ってから、と言う方が、正しいか。