絶対零度の鍵
「…歪みっていうのはさ、大きいの?」
ふと感じた疑問を右京にぶつけてみれば、彼女も首を傾げる。
「左京は見たみたいだから知ってるだろうけど、あたしはもうその頃地球に行っちゃってたから現にはわからないのよね。あたしが落とされた場所が歪みっていうのなら、谷底みたいなところだったわよ。情報によると、段々膨張していってるみたい」
「こっちから地球に行ってる者も居るってことだよね?」
「そうね。でもまだ地球では大きな話は漏れてきてないわ。そんなに変な奴は行ってないんじゃないかしら。それにかなり奥地だから滅多にこっちの民は近づかないわよ。」
むしろ、と右京は続ける。
「他の星からの方が入ってくる数が多いみたい。だから、警備の数も増やしたらしいから。」
やがて、大きな壁に突き当たる。
グスのうちの一匹がその壁―一見白いただの壁にしか見えない―に触れると、水辺に波紋が広がるような形で、瞬時に青い透明な空間が出現した。
「うわ」
サロンの様な形で、広がる広間。
その中に、無数の人、人、人。
それぞれが一様に興奮し切ったように騒いでいる。
に、人間ばっかり、じゃん。
僕はその光景に、思わず固唾を呑んだ。
ふと感じた疑問を右京にぶつけてみれば、彼女も首を傾げる。
「左京は見たみたいだから知ってるだろうけど、あたしはもうその頃地球に行っちゃってたから現にはわからないのよね。あたしが落とされた場所が歪みっていうのなら、谷底みたいなところだったわよ。情報によると、段々膨張していってるみたい」
「こっちから地球に行ってる者も居るってことだよね?」
「そうね。でもまだ地球では大きな話は漏れてきてないわ。そんなに変な奴は行ってないんじゃないかしら。それにかなり奥地だから滅多にこっちの民は近づかないわよ。」
むしろ、と右京は続ける。
「他の星からの方が入ってくる数が多いみたい。だから、警備の数も増やしたらしいから。」
やがて、大きな壁に突き当たる。
グスのうちの一匹がその壁―一見白いただの壁にしか見えない―に触れると、水辺に波紋が広がるような形で、瞬時に青い透明な空間が出現した。
「うわ」
サロンの様な形で、広がる広間。
その中に、無数の人、人、人。
それぞれが一様に興奮し切ったように騒いでいる。
に、人間ばっかり、じゃん。
僕はその光景に、思わず固唾を呑んだ。