絶対零度の鍵
「じゃ、まぁ、とりあえず…二人とも協力してくれるってことでいいんだな?」
なんか釈然としないけれど、念の為最終確認をする。
「「うん!」」
僕は、心なしか楽しそうにすら見える溝端と尭を見つめる。
果たしてこの二人を信用できるのか?
当然の疑問が頭を過るけれど、これが現実だということを、その内受け入れていくだろう。
そう考えるなら、今の所はこれがベストだ。
とりあえず二人はもう否定していないし、協力的(?)な訳だから。
「わかった。じゃ、右京を呼ばなきゃ。二人はちょっと待ってて。」
僕は言いながら、身体を回転させ、さっき右京が出て行った方へと向かった。
と。
「な、なんだ?!」
グラグラと、まるで地震のように地面が揺れ出す。
「きゃっ!」
段々激しくなるそれに、バランスを崩した尭が悲鳴をあげてその場にしゃがみ込む。
「何が…」
僕の顔にも、溝端の顔にも、緊張の色が走った。
立っていることが出来ない程のぐらつきに、僕等は成す術がなかった。