絶対零度の鍵
物語は必然に
「うぁっとと…」
あっちこっちに滑りながら、上手くバランスを保ちつつ、右京が奥の部屋からこっちに来る。
「あ、右京…」
僕が呼ぶと、右京はこっちをちらっと見て、にやっと笑った。
そして次の瞬間、彼女は宙を飛ぶ。
そーか。
飛んでしまえば、地面が揺れていても関係ないのか。
「クミ!大丈夫?」
その声に、先程のような冷たさは残っておらず、僕はほっとする。
「うん、でも、、立っていられない。これ…どーいうこと?」
「わかんない…」
右京も考え込む仕草をした。
「あっ、でっ、その、二人っだけどっ」
揺さぶられながら、僕はない腹筋に力を籠める。
「協力っして…くれるって!」
僕の言葉に同意するように、溝端と尭が同時に頷いた。
「お、さーんきゅー」
右京はなんともゆるーい感じで、また笑った。
え、そんなもんなの…
ほんと、女心って奴は、未知の世界だ。