絶対零度の鍵
「卓!」


「卓毅!」




部屋の中から、溝端と尭が二人して呼んでくれてはいるが。




「ちょっと、、、こないで…」




その重みで、こっちに傾きそうだから。



二人はそのまま、今の位置に居てください。



っていうか。



なんなんだ、この状況!?


よく見たことあるな。


漫画とか、テレビとかで。



実際なってみると…



腕が、痛い。



とにかく、痛い。




自分の体重は重いほうではないのだが。



重い。



「くっ…」



ギシ、と扉が軋んだ音を立てた。




腕の痺れがどんどん広がって行き、感覚がなくなりそうだ。



完全に無くなったら、それは落ちる時だろう。
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