絶対零度の鍵
「とぼけてるのか?この村には只者は入れない。空間の世界から来た旅人か?」
尋問するかのような口調で、問い質されるが、思い出せないばかりか、眩暈がひどくなる一方だ。
「つっ…」
居ても立っても居られない、ぐるぐると回る視界に目を瞑った。
額に脂汗が浮かんでいるのが、わかる。
熱い。
息も、荒くなっている。
「おい!」
青年が、僕を呼んでいるみたいだけど。
僕はとにかく、このすべての痛みと、不具合から解放されたい。
よって。
僕は再度意識を手放した。