絶対零度の鍵
蓮貴はじろっと僕を横目で睨む。


あれ。聞いちゃ駄目だったのかな。



「だって、蓮貴のこと、呼んでましたよ?がっかりしてましたし…」




僕の言い訳に、蓮貴はふんと鼻を鳴らした。



「あいつが女の子って年かよ。いいんだよ。幼馴染みだ。」



片手を振って、面倒臭そうに言うもんだから、あの子に同情してしまう。



親しい間柄でも、あの態度はかわいそうだ。




「でも…無視、したらかわいそうじゃないですか…何か言いたげでしたよ。」



「どうせ、いつまでも一緒には居られない。居なくなるなら馴れ合いは無いに越したことはない。どちらにとってもな。」




憂いを含んだ言葉に、僕は思わず蓮貴を凝視する。



「どこかに、いかれるんですか?」



僕の質問に、蓮貴があれ、という顔をした。



「そういえば…星はこの村がどんな村なのか、知らないのだな?」




「どんなって…?」




僕は瞬きをする。


どういうことだろう?


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