絶対零度の鍵
厚意に甘えることにして、僕は全部飲み干した。



すっかり、落ち着きを取り戻した僕は、口を袖で拭いながら、隣に座って草をいじる彼女に声を掛ける。




「あ、の、本当に、どうもありがとう…ところで、、君は、蓮貴の、友達、、、だよね?」




「こないだ、思い切り無視されてた、ね。」



僕が気を遣って言わなかったことを、彼女ははっきりと自嘲気味に言った。





「いや…その…」





なんとなく気まずくて、返す言葉に困っていると、




「翠、よ。私の名前は翠。あなたは?」





彼女が訊ねてくれる。




「今は、星って呼ばれてる…」




名前って大切なんだなと、今更ながらに思った。
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