絶対零度の鍵
「鍵師…」
思わず、呟いた。
頭の中を、整理しようとする前に、警告音が鳴り響いている。
何かが、あったに違いない。
きっと異常な何かが。
《右京、聴こえる?》
目の前の出来事を処理できないまま、ただ呆然と見つめていると、双子の弟からの声が届く。
これは双子ならではの能力で、以心伝心と言うべきか。
幼い頃から2人はお互いの意思を回路として繋ぎ、交信することができた。
「聴こえてる…ちょっと、大変なことになっちゃった、かも」
左京の声に安堵しつつ、呟くように答えた。