絶対零度の鍵





「っつ…」



「っ星!?」




激痛に倒れこむ僕に驚き、蓮貴が駆け寄る。



視界が急激にぼやける。



それは意識が遠退いているからか、痛みから来る涙なのか、それとも―







愛しい彼女への、秘められた、明かすことの出来ない想いが。





籠められた、白い、花。







何かを、思い出せそうなのに。




蓮貴。



僕は、君に幸せになってもらいたいよ。







―親しい友の想いを知ったゆえに溢れる、泪のせいなのか。
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