絶対零度の鍵
別れがあるから詞〔ことば〕がある
水の、流れる音がする。
暖かい太陽の匂いがする。
「…ん」
ここは、一体どこだろう。
心地良い、場所だ。
あー、公園かな?
ずっとここで昼寝をしていたんだっけ。
なんだか、夢を見ていたような気がする。
途中現実かと思ったけど、やっぱりあれは、夢だったのね。
あ、そうだ。
もう、予備校終わっちゃったかもしれない。
寝て居る暇なんかなかったのに。
小テストの為に、徹夜で勉強したからかな。
あ、卓毅を呼びにも行かなきゃ。
それにしたって、変だわ。
真夏な筈なのに、春みたいな気候。
ゆっくりと瞼を開ける。