絶対零度の鍵
「あれ、どこ、ここ…」


起き上がって、慌てて見知らぬ辺りを見回した。



瞬間、だった。




「蓮貴ー!!」


「きゃあっ!!」



高い声と一緒に、知らない女の子が駆け下りてきて、そのまま滑ったらしく、勢いよくぶつかった。




「いたたたた…」



覆い被さるように転んだ少女に顔をしかめつつ、呟く。





「あ、ごめんごめん…ってあれー??すみませんっ!!」




ガバッと顔を上げた少女は、顔をサッと青くし、仰け反った。





「知り合いかと……あの、お姉さん…どなたですか?」




栗色の髪の、まだあどけない少女は、恐縮しながらも、好奇心を隠せないようだ。
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