絶対零度の鍵
灼熱の国
ギラギラと照りつける太陽を、右京はうんざりとした様子で睨みつける。
「いい加減、雲に隠れたらどうなの?」
かいたことのない汗に、自分自身驚きながら、べたつく嫌な感じに苛々していた。
今、右京は灼熱と極寒の国境に来ていた。
王が、空間の適用を能力として授けてくれている為、うんざりはしても、ぐったりはしていない。
町に向かう途中に起こるだるい感じがなかったのも、そのおかげだった。
鍵師は何者かにさらわれたらしいという情報により、右京は追跡が一刻を争うものだと悟った。
目的が何であれ、鍵師の身の安全がわからなかったからだ。
左京も違う方面から、情報収集だけではなく、調査を開始する流れとなった。
王も独自の調査網を用いて、奔走していると左京が教えてくれた。