絶対零度の鍵
暫く情報を集める必要がありそうだ。


じゃぁ、そうするにあたって、賢い方法は。




「そうなの?実は…私……思い出せないのよ…」



物悲しそうな空気を纏いながら、俯く。



「え!お姉さん、どうしたの?思い出せないって、どういうこと?」



少女はその丸くて大きな目で、心配そうに自分を見つめて居る。

罪悪感が全くないわけではないが、背に腹は変えられない。


早く土地勘を手に入れて、卓毅や淳くん達を捜さなくちゃ。



「頭を打ったのかしら…気付いたら、ここに横たわっていたのよ。その前の、記憶が少しも思い出せないの。」
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