絶対零度の鍵
幻雪の結晶が壊されていることや、何か得体の知れない、大きな獣の爪痕の話を伝えると、王は考え込み、言ったらしい。
「どうも、狙われているのは、ここか地球だ」と。
となると、隣国にも何か異変が起きているに違いないということになった。
そして鍵師追跡と同時に、右京は使者として灼熱の国に向かうようにと指令を出された。
しかし、温度は桁違いに高くなってくる。
国境を越えたら益々そうなるだろう。その事実が進もうとする足を躊躇わせる。
幸い、隣国の城は極寒の地と違い、中央に位置しているため、ここから近いのだが。
100数年前に使いに来た時の記憶をひっぱりだしてみようと試みても、どうもよく思い出せない。
暑かった、という記憶しかない。