絶対零度の鍵
尭には翠の気持ちが手に取るようによく理解できた。
けれど、今の自分はその選択を後悔し始めていた。
―私も。
こんなことになるんだったら、伝えておけばよかったな。卓毅に。
ぎくしゃく、とか、上手く行く行かないとか、そんなこと考えずに。
小さな頃からずっと一緒だった幼馴染みは、いつからか何を考えているかわからない男になった。
時折つまんなさそうに歩いている姿を見ると、苦しくなった。
頑張れば何でも持っているのに、適当にゆらゆらとしていた。
中でも泳ぐことは大好きだった筈なのに、高校でも部活に入らなかったし、スクールも辞めていた。
気になって気になって仕方なかった。
なのに。
突然の転入生が―右京が来てから、少しだけ、卓毅が変わった。
ほんの少しだけど。
楽しそうだった。
けれど、今の自分はその選択を後悔し始めていた。
―私も。
こんなことになるんだったら、伝えておけばよかったな。卓毅に。
ぎくしゃく、とか、上手く行く行かないとか、そんなこと考えずに。
小さな頃からずっと一緒だった幼馴染みは、いつからか何を考えているかわからない男になった。
時折つまんなさそうに歩いている姿を見ると、苦しくなった。
頑張れば何でも持っているのに、適当にゆらゆらとしていた。
中でも泳ぐことは大好きだった筈なのに、高校でも部活に入らなかったし、スクールも辞めていた。
気になって気になって仕方なかった。
なのに。
突然の転入生が―右京が来てから、少しだけ、卓毅が変わった。
ほんの少しだけど。
楽しそうだった。