絶対零度の鍵
陽の沈まない国
―暑い。
ひどく喉が渇いた。
汗すらも灼熱の温度に蒸発していっているように感じるほどだ。
あれ。
俺、うつぶせに倒れているのか?
手に、顔に、、砂の感触がする。
あー、足が痛い。
なんだっけ。
俺、どこに居たんだっけ。
夏休みだから、女友達とプライベートビーチに来てたんだっけ。
にしたって、なんでうつ伏せになってるんだ?
やべ。それより眼鏡あるか?
目を瞑ったままで、手を動かし、顔を触ってみる。
固い感触に安堵の溜め息を吐いた。
あーよかった。壊れてないみたい。
幸い痛いのは足だし、ぶつけたのもきっとそこだけだ。
転んだのか?
もしかして、俺、今気を失ってたのか?
それならどうして女共は俺を心配しに来ない?