絶対零度の鍵
パチ、と反射的に閉じられていた僕の瞼は開く。



僕は。。



そうだ、僕は―




ガサァッ



僕の身体が少し先の庭にある植木の上に落ちたために、葉が派手に飛び散った。




幸い、怪我といえば、枝で引っ掻く程度で済んで、少しほっとする。





「なんで、今まで忘れていたんだろう。」





植木の間から、なんとか這い出して、僕は自分の頭を軽く殴った。





僕は本当に大馬鹿者だ。




使用人達がパニックに陥っている中を掻き分けて、僕は再度稽古場に向かう。





ドンドンドンドン!!!!



固く閉じられているため、僕は力の限り、拳で扉を叩いた。

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