絶対零度の鍵
「俺はお前が思っているような奴じゃないんだ。封印から逃れた後、過去を変えるために、回復と時期を待った…卓には負担をかけてしまった。狙った期間に送るというのはかなり力がかかることだったから。勿論、時間を混同させても人間が行った先で上手く作用してくれなければいけない。それも、お前はよくやってくれたよ。俺に会うことすらできなかった、保険の二人と違ってな。」



「このっ!!」



僕は立ち上がって、蓮貴の胸元に飛び掛った。



蓮貴は僕より背が高いし、力もあるに違いないのに、抵抗せずに笑った。




「そうだよ、それでいいんだ。」



「なっ!?―」



「俺は、女一人の命を救う為に、世界を利用したんだ。死んだほうが良い。」



蓮貴の目には、相変わらず心がない。



僕の手に籠められた力が、緩む。



翠の顔が、頭に浮かぶ。


白い花が―




「…もし、そうなら…過去は変わったんだろ?どうして、今は変わらないんだ…」


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