絶対零度の鍵



防御しながら謝ると、坂口はふぅと溜め息を吐く。



「放課後、職員室に来るように。」



「え、なんで!?素直に謝ったじゃんか!」



理不尽に思える宣告に僕は思わず口を尖らしてしまう。




「そんなんだからだ!!!」




「えー…」




黒板の方に向かって戻っていった坂口の背中を見ながら、僕は項垂れた。



どこからかくすくすと笑い声が聞こえる。



「行くの?」



溝端がこそっと尋ねるので、僕は軽く頷いた。




「やだけど…行くよ。」
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