絶対零度の鍵



「すいません、帰りますっ」



「おい、望月!」



鞄を引っ掴むと、先生の制止も聞かずに僕は教室を飛び出した。



やっぱり、あの公園の小山に行くべきだったんだろうか。


僕は毎日疑問に思いながらも、小山に足を運ぶことを恐れていた。


もしも、全部、夢だったら。


最後の、証が何もなくなったら。



そう考えると、あそこへ行く勇気がなかった。





だけど。



やっぱり、行ってみよう。






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