絶対零度の鍵
「あれー、どうもこれ、危険な感じだわねぇ。誰かに操られてるのかしら?」
右京が首を捻った途端に獣の長い爪が襲い掛かる。
ブンッという風を切る音がした。
それを難なく避けると右京は獣の頭の上に乗っかって考える。
「うーん、、どうしよっかなぁ」
そんな右京をふるい落とそうとどんなに野獣が首を激しく振っても、何の効果もない。
「あ、そーだ」
グラァァァァァァァガッグァッ
嫌がる野獣の耳を掴むと、彼女はそれを思い切り引っ張る。
その瞬間、獣は更に暴れだす。
そして馬が手綱を思い切り引っ張られた時のように反り返った。