絶対零度の鍵

燃えるような肩の痛みと、底なしの闇に落ちていく恐怖とで。




自分の意識も薄らと遠退いていく。




「最後だから教えてあげるね。鍵師はとっくにどっかに行ったよ。君と同じようにね。」




楽しそうに笑う声が、聞こえる。




かすかに、どこかで、左京の呼ぶ声も聞こえた気がした。




だが。



応えることができないまま。



右京は心身ともに、闇に入ってしまう―
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