絶対零度の鍵

どうも、授業中居眠りをしていた僕を起こしてくれたらしいんだ、な。多分。




「望月…お前って奴は…」



大きな溜め息と共に坂口が丸めた教科書をさらにぐぎぎっときつく丸めて―




「先生はっ!悲しいぞ!このっ!このっ!」




バコバコバコと立て続けに殴られた。



まじひでー。



教室中からも、なんか忍び笑いが聞こえる。



皆、楽しそうでいいんじゃない?



僕がその笑いを提供してやったわけだし?



僕って良い人間だなぁ。
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