絶対零度の鍵
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「大体家でちゃんと寝てんのか?!夜更かししてるんじゃないのか?!」




結局。



溝端の前では格好付けてみたけど、本当は小心者な僕はちゃんと職員室に来ている。



ちなみに小さい頃から僕は僕のことを『僕』と呼んでいるけど、高校生にもなるとさすがにちょっと腑抜けなんじゃないかって思えてきて、口に出す時には、『俺』って呼んで使い分けている。



たまに『ぼ』って言いかけて、取り繕うのに苦労している。



でも僕っていうと真面目くんとか言われそうだし、周囲のイメージじゃないっぽいからやめておく。



いずれ社会人にでもなったら、さよなら『俺』、おかえり『僕』にすればいい。


いや、その位になったら、もういっそのこと『俺』に慣れてきて、脱『僕』かもしれない。



いやむしろ、こんなこと、誰も気にしていないのかもしれない。




いっそ明日からでも『僕』と口にだしてみようか。




「聞いてんのかーー!!!???」




見事にゲンコツを頭に喰らった。

これは、体罰じゃないのか?

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