絶対零度の鍵
「あ、やべ。こんな時間か」


考え事しながらのろのろ歩きつつ、はたと時計を確認すると、予備校に行かなければならない時刻が迫っていた。


自分は帰宅部だが、何しているわけでもない。

だが、成績を心配する親の希望で、行きたくもない予備校には通っている。

しかし、成績は伸び悩んでいる。


理由は単純で明快。


要は、僕がしたくないから、だ。


必要性が感じられない。

将来したいこともない。


それの、何がいけない?
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