SS小説(ファンタジー編)
「恐いもんか」
この自然と共にいられるのなら。
あいつも、お袋も親父もいるこの町なんだから。
けれど不思議と涙がこぼれ、遥か下のほうで分からないほどの波を打つ。
そのすぐ下には、旅に出た時と全く変わらない10年前の故郷の姿が。
「ただいま──……」
とめどなく流れる涙を拭こうともせず、消え入るような声で一言呟く。
俺は陽が沈み浮かび上がる町が消えるところを見る前に、まるで吸い込まれるようにして崖から飛び降りた。
1話目「故郷」 fin.
この自然と共にいられるのなら。
あいつも、お袋も親父もいるこの町なんだから。
けれど不思議と涙がこぼれ、遥か下のほうで分からないほどの波を打つ。
そのすぐ下には、旅に出た時と全く変わらない10年前の故郷の姿が。
「ただいま──……」
とめどなく流れる涙を拭こうともせず、消え入るような声で一言呟く。
俺は陽が沈み浮かび上がる町が消えるところを見る前に、まるで吸い込まれるようにして崖から飛び降りた。
1話目「故郷」 fin.