近しい華は高嶺に咲く美しき花
『結婚すると思っていた相手と別れちゃいましたからね』
「そんな、事実をバッサリ言わないでくれる?」

花村が言うことは事実だけど、改めて言われるとツラい。

『結婚願望、先輩にもあるんですか?』
「あるわよ。だから彼と別れる結果になったのが、悲しいの。もう、田舎帰ってお見合いでもしようかな」

精算機にお金を入れて領収書を出し、車に乗ろうとした。
ところが・・・花村は持っている車の鍵を開けようとしない。

「どうしたの?早く開けてよ」
『田舎に帰るって、先輩の本心ですか?』

私の問いかけには一切無視。
花村は逆に私に質問をする。
自分が運転をするのに、私のいる助手席のドア側に立っていること自体がおかしい。

「だって、私は来年三十路よ。改めて恋愛から入るなんて・・・こんな可愛くもない女、お見合いくらいでしか貰ってくれる人いないわよ」
『そうやって自分を勝手に見下げて。彼と別れたと思ったら、いなくなってしまうなんて、それも勝手すぎます』
「どういう意味よ」
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