海に写る月

駅までは、徒歩で10分程でつく距離で駅につくとちょうど電車が来たときで待たずに済んだ。


電車内に入ると適当なスペースを見つけ出して手すりにもたれ掛かり持ってきていた本を取りだし読み進めていた。


すると、前の方のドアの辺りで男子生徒が一人の女子を指差してニヤニヤしているのが目に入った。


「なぁ、あの子可愛くない?」

「あれ、ウチの制服じゃん。赤だから、同期かよ!」

「顔ちっちぇ~!」

「バカ!声でけぇよ!聞こえちゃうだろ。」


その男子生徒とは、かなり距離があったものの会話が筒抜けで一言一句聞こえてきた。

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