海に写る月
1年次──" HR102 "
月海side…
ドアの前には、『HR102』の札があってこの教室だとすぐに分かった。
階段を上がったせいで、息も荒れていたためもう一度深呼吸をして、眼鏡を中指でもとの位置に上げた。
ガラッ
ドアを開けると既に3分の2の生徒がいた。
視線が刺さる。
「髪の毛キレイ。」
「眼鏡はずしたら可愛いんだろうな。」
「もし、不細工だったら?」
「ないない。」
いろんな言葉が、一瞬の間教室を飛び交った。