L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
「あんまり…進展無いかな?笑」

この子の前だと素になれるし、先生の事隠さなくてもいいから思いっきり話を聞いてもらっている。

「無いかな?笑。…じゃ無いよぉぉぉぉ!!文先生といれるのもあと少しなんだよ??分かってる??早くアッタクしちゃいなさいよ!」

そして自分の事の様に熱くなってくれる…。

周りの目が少しこちらに向けられた。

「瑞希少しは周りの目を気にしてね?それに先生と生徒なんだよ?アタックは今しなくても…。」

「あ!そうだ!今度の文化祭一緒にまわっちゃえば?」

「…人の話聞いて。」

“先生と生徒”自分で言って辛くなる言葉。

この壁がいつもまとわりついてくる。

しかも同性同士。これが一番厚い壁…。

正直先生と生徒の壁は、卒業したら無くなるに等しい。卒業後に付き合って結婚なんてザラにある話だ。

しかし同性同士はどうだろう…。

日本では認められていない。しかも同性愛に対しての偏見も強い。…告白なんて無理に決まっている。
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