L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
…えっ。

「ちっ違うよ!?この地区のボランティア部の総括している人から!」

そういう貴女の顔は何故か赤みを帯びて、照れている様にも見えた。

満更でもない感じ…。

ああ…。やっぱりそうだったんだ。

先生は私の気持ちがわかる訳が無い。

だって、先生と生徒で第一に女同士だもん。

元々叶うはずが無い恋をしていた。

それは私自身一番分かっていたこと。なのに…。

「藤咲!大丈夫?!」

祥香に言われて初めて気が付いた。

涙が溢れ出ていた事に。

「あれっ?私なんで泣いてるんだろう。」

貴女には悟られたくなかった。

でも目の前で生徒が泣いていたら流石に心配する。

「あゆむさん?!」

「…すみません。お手洗行ってきます。」

職員室から走り去ってしまった。
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