L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
あー…。なんであんな事したんだろう。

教室に戻り我に返る。

お手洗に籠ることも考えたけど、やっぱり一番落ち着く場所に来てしまった。

先生絶対これ怪しがるよな…。

これからどんな顔で会えばいいんだろ。

気まずいな…。

「ハァァァァァ」

長い長いため息が出て、無意識に頭を掻く。

もう涙は引いていて頭が痛い。泣きすぎたのだろう。

ガラガラー

「あゆむさん?」

「?!」「あっ…、文先生。」

凄く心配した顔で私を見る先生。

なんで…??なんで先生が?

私の後を追ってきたとしか考えられない。

思考回路が回ってくれない。

「あのっ、さっきはすみません…。」

「いいよ別に。でも…どうしたの?」

「それは…。」

絶対に言えない。結婚相手居たことで動揺しました。って言えるわけがない。

「言いにくかったら無理して言わなくていいよ?でも、一つだけあゆむさん勘違いしてるの。」

「何ですか?」

「さっきの電話。」
< 103 / 105 >

この作品をシェア

pagetop