L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
…言おう。言って後悔と言わないと後悔では全然違う。

腹をくくりいざ言おうとしても中々口が開かない、いや言おうとしてないのかもしれない。

中々言おうとしない私に瑞希は呆れているのか催促するのか、怖い顔をしてこちらを見ていた。

「どうしたの?」

心配そうに見てくる先生。ちっ近い…。

そんな顔で来ないで…。反則だよ。

「あっ、あの…。」

「ん?」

「来月末の文化祭…。一緒に回ってくれませんか?」

やっと開いた口からは、ありきたりな言葉が出た。

でも今の私には特別な言葉。

言っちゃった…。言っちゃったよ。

多分今すごく赤面してると思う。

顔が熱い…。

瑞希の方を見るとよくやったと言わんばかりの顔をしてる。
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