L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
「もー、本当に恥ずかしい…。泣きそう」

「まぁまぁ、そんなこと言わないの笑。」

「笑いながら言われても説得力ありませんよ?」

フラグたったわ…。

「ごめんなぁ笑。」

そう言い終わると、先生の細く長い綺麗な手が私の頭に触れた。

えっ…。

せ…先生?

「先生?今何を?」

「頭撫でたのよ笑。あ、ごめん。嫌やった?本当、あゆむさん可愛いからつい笑。」

「そっ…そんな。可愛いないです。」

「やっぱり照れてるあゆむさん可愛いわぁ!」

「あの、お取り込み中すみません。」

あ…そう言えば瑞希居たんだ。

先生といると周りの存在をすっかり忘れてしまう。

良いことなのか良くないことなのか…。

「あゆむちゃん、そろそろ行かないとリハ間に合わないかも…。」

「あ"っ!すっかり忘れてた…。」

メンバーに迷惑かけるとか嫌だし、城島先生に目をつけられるのはもっと嫌だ。

「これからリハなの?」

「はい。ヤバいです、全力で行ってきます。」

「私も部活の方準備行くね。」

「おぉ。お花綺麗に活けてあげなよ~笑。」

瑞希は華道部だから明日の展示に向けて頑張っている。すごく上手いんだよね。

「私も設営の方に戻るねぇ。あゆむさん、朝から笑わしてくれてありがとう笑」

「マジ泣きますよ?」

時間も迫っていてそれぞれの仕事に戻った。
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