L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~

お化けとは…?

「…莉央強引だ。」

でも無理矢理押してくれたお陰で好きな人と、好きなお化け屋敷(先生は苦手だけど)に入ることが出来たのだから感謝感謝。

「にしても…すごい…。」

改めて辺りを見回す。とても手が込んでいて、夏祭りの縁日に出ているお化け屋敷みたいだ。

高校生でここまで造れるとは…圧巻だ。

ガシッ

「痛っ…!」

肩を勢いよく掴まれた。

もう誰かがおどかしに来たのかと思ったが、真後ろには文先生しかいない。

振り返ると先生が思いっきり掴んでた。

確かに瑞希の読みは正しかった。

先生の手が私の肩を掴んでいる…。

嬉しいが流石に力が強すぎだ。

「先生、痛いです…。」

「あ、ごめんごめん…。」

「やはり怖いですか?今ならすぐ出れますよ?」

「ううん、大丈夫だよ笑。」

そう言いながらも力は益々強くなる。

これ以上掴まれるとホントにもげそうだ。

「怖いなら怖いと素直に言ってください。あと、肩痛いです。怖いなら手握ってください。手だったらいくらでも強く握ってもらっても大丈夫ですから。」
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