L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
後ろから声が聞こえた…。
3人揃って振り返って見ると、顔が血まみれの浴衣を着た女性が床を這っている。

「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」」」

「ちょ!?逃げるよ!?」

-逃がさい…。一緒に何時までもいるのよ…。ケケケケケ!!-

逃げると後を這いつくばって追いかけてくる。

ヤバイヤバイヤバイヤバイ。これはがちで無理だ!!

所詮高校生のお遊びとか思ってたけど、最後の最後にリアルぶっこんで来たよ!?

私達は角を左に曲がる。その時もちきんと先生が手を握っているか確認をする。でも顔を見てる余裕など今は無い。

「あ!出口!!見えてきましたよ!!」

「よかったわ!」

「良し、急ごっ!!」

急いで出口に向かう。ようやく扉を見ることが出来て安心した。

私は直ぐ扉に手を掛けたて開けようとしたが、開かなかった。どうやら外からではないと開かないらしい…。

「ちょっと!えっ?!開かない!!なんでよ!?」

何度ガチャガチャと動かしてみても一向に開かない。

「あゆむちゃん変わって!」

流石に瑞希も焦って来て場所を変わって貰っても開かない…。

その間にもさっき追いかけて来た血まみれの女性が徐々に近づいて来る。

「いやぁぁぁぁぁ!!!来ないでぇぇぇぇぇ!!!」

先生は軽くパニック状態だ。このままだと本当に危ない。

「瑞希チェンジ!」

「オーケー!」

一か八かで大きな声を張り上げる。

「ちょっと!開けてよ!!誰か!!」

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