L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~

右往左往

莉央のクラスを後にした私達は校内の色んな所を見て回る。

今は縁日をモチーフにした単位の教室に来ている。

射的にヨーヨー釣り、輪投げ。綿あめまでも売っている。

地域の夏祭りを思い出すつくりだ。

「わぁー!美味しそー!あゆむちゃん、先生、綿あめ食べましょ!」

「瑞希ホントよく食べるよねぇ笑。」

「色気より食い気!!」

うん。可愛い顔をしているのになんでモテないか分かった。

「瑞希さんは何時もあんな感じなの?」

フレーバーを選んでいるのに夢中の瑞希を眺めながら先生は言われた。

「そうですね。」

「凄い大食いさんなのね笑。」

「さっきボランティア部の教室行く前にも食べてましたから。」

「…よく入るわね。」

「そうですよね笑。」

こんな他愛も無い話をしていると聞きたくなる。

何故お化け屋敷を出てからも私の手を握っていてのですか。と。

震えていた訳でも無い。怖がっていた訳でも無い。

じゃあ一体何故…。
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