L'a maro e dolce amaro ~甘くて苦い恋の味 ~
「そう言えばあゆむさん。前より随分と生き生きとしているわね笑。」

「…はい?」

「先月の…ほら英語の時間の後。ワーク一緒に職員室まで運んでくれた時あったでしょ?」

「あー、そう言えばありましたね。」

ばっちり覚えているけどあえてはぶらかす。どこまでも天邪鬼。

「その時、何か悩んでいるのかなって思って声掛けたの。まぁ受験生だから悩みは付き物だけどね笑。前々から気にはなっていたけど、担任でも無いから…。」

先生…。貴女はどこまで優しい人なのだろうか。

その優しさが私だけでは無く、皆平等に優しい事も知っている。

でもそれが残酷な事に私を苦しめている事も…。

苦しいけど、辛いけど、そんな素振りを見せてはいけない。

もし見せてしまったら、抜け出せなくなるから。

全部心に閉まっておくの。
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